〜北の国から〜
2004 正月
| 前略 父さん。今年の冬は北海道に帰れないわけで。
帰れないと言っても仕事があるとか何か深刻なトラブルがある…などと云う複雑な事情ではなく、単刀直入に言えばお金がないという理由だけなわけで。 でも心配はしないで下さい。決して独りで淋しい年越しを迎えたわけではありません。 都内には友人もいるわけで、今年の正月はその友人と過ごす事になったんだ……。
※ 2003年12月31日。僕は友人であるアロアの家に呼ばれていた。 一緒に年越しパーチーをしようと言ってくれた彼の好意を僕は心から嬉しく思ったし、素直に受ける事にしたんだ。 夕方、彼の家に着いた僕は愕然とした。 彼が既にバーチャのコントローラーを握っていたからだ。(臨戦態勢) 父さん。バーチャって云うのは…つまりテレビゲームの事で、SEGAの対戦格闘ゲームのバーチャファイターシリーズの事を指すんだ。僕達はその『4.evo』でいつも熱い対戦をしているんだよ。 でもまさか大晦日に…しかも着いたばかりだぜぇ…。
結局、僕も夜まで奇声を発しながら熱中してやっていたわけで。 でも父さん…。父さんは友人を本気でシバキたくなった時はありますか? アロアは昔から僕によくなついてくる可愛い奴なのですが、このバーチャをやっている時は別人でして、もの凄くサディスティックに僕をいたぶってくるのです。 時には勃起しながらです。何度か射精もしていたと思います。(もはや変態!!!) 僕は彼を何度ヒッ叩きそうになった事でしょうか。分かりますか?父さん。
まだ明るいうちから酒を飲みつつ、何時間TVゲームをしていたでしょうか。 僕も2004年には34歳になるのにね。 今度は格闘技番組を回し観です。父さん、今年の大晦日はテレビ3局がそれぞれで別団体の格闘技を放映していましたね。 僕達は落ち着きなくチャンネルを変えて大いに盛り上がったんだ。 ボブサップと曙の試合は予想通りに盛り上がらなかったけど、マイク・タイソンがテレビに映る度に僕が無理矢理耳に噛みつき、 「アイム マイク・タイスン!!」 とシツコクやるもんだから、こちらでは大いに盛り上がりましたよ。 あ、父さん。タイソンの耳噛みつき事件は有名ですよ?僕はそれを再現というか真似したわけです。 番組が終わる頃、いよいよ2003年もあと僅かの時間となり、僕達は初詣に行こうと家を出たのですが、結局途中のゲームセンターに入ったわけでして、北斗の拳のスロットをやっている最中に新年を迎えてしまいました。 僕も今年で34歳になるのにね。 一時間ほど遊んだあと、僕達は思いだしたように神社に向かったんだ。 でもその境内はやはり凄い人混みでして、お参りするのに何時間も並ばなくてはならなそうな勢いでして、そういうのが嫌いな僕は 神社の外から手を合わせて帰ろう と提案したんだ。 すると彼は急にモラリストぶって僕に説教してきたんだ。 アロ「『一年の計は元旦にあり』っていうのに初っぱなから堕落に徹しちゃダメだよ。」 僕も言ってやりました。 HUN「だまらっしゃい。私はこの程度の規模の神社でお参りするほど安くはないのだ。帰るぞ。」 アロ「何言ってんの?自分!」(笑) HUN「HUNチンの格言!」 アロ「HUNチンの格言!」(笑) HUN「一年の計は!」 アロ「一年の計は?!」 HUN「本能寺にあり!」 アロ「本能寺!!」(爆笑) HUN&アロ「いえーーい!」(そのまま帰宅)
…父さん。何故あんなにもハイテンションだったのか、僕自身にもよく分かりません。でも…とにかくヒートアップして盛り上がっていたんだ。家に着くまでも、 HUN「宇宙世紀0079年。地球から最も遠い宇宙都市『サイド3』は……」 アロ「お?ガンダム?」 HUN「核の炎に包まれた!」 アロ「北斗の拳じゃん!!」(爆笑) と、こんな感じでして、ひたすら『ユーはショック!』って歌いながら帰った始末でした。 帰ったら帰ったで、またひたすらバーチャと酒を楽しみ、寝たのは……多分明け方の4時過ぎでした。 父さん。僕の格言はやはり自分本位だったらしく、元旦の昼過ぎに起きたら しっかり風邪をひいてしまった わけでして、最悪の年始となりました。(天罰か?) 『今日は安静に』という事で1月1日の夜は……やっぱりゲームでした。 父さん。サイレンというゲームを知っていますか?そりゃあもう世にも恐ろしいゲームなわけでして、でも……大の大人が薄暗い部屋の中で口を開け、 子猫のように体を丸めて震えながらゲームをしている その姿は、客観的に見たらこっちの方が恐ろしいですよね。 しかも足の指なんかグーですよ。グー。
朝までゲームをしていたわけですが、安静にしていたお陰で2日にはウソのように体調が良くなり、リハビリがてらにお好み焼きを食べに出て 真っ昼間からまた酒を飲んでました。
それにしても驚いたぜぇ……。アロアがもう一泊していけって言うんだもんなぁ……。 父さん。確かに僕は彼との友情を感じていますが、時々不安になる時があるんだ……。それは 『ひょっとしたら彼は、友情の一線を平気で越えてくるかも知れない』 って事さ。可笑しいだろ?だって男同士だぜぇ…? そんな事はないって信じつつも、もう一泊することにしたんだ。やる事は2日前から変わらないさ。酒飲んでバーチャ三昧だよ。 父さん、安心したかい?いや……安心できるわけないよね? 今年で34歳になるのにこんな休暇を過ごしているのだからね。
その晩、僕は彼の家にある「アクビちゃん」のDVDを観せてもらったんだ。 父さん、何というか、萌え萌えです。(死語) 彼の家にあるクッションを抱きしめながら何度となく悶え転がり、 コタツの角に頭を強打してしまったほど ですから、我が家にアクビちゃんDVDが全巻そろうのも時間の問題と思われ。
長いようで短かった4日間。一夜明けた1月3日に彼の家を出て駅に向かう途中、昨夜観たアクビちゃんの興奮冷めやまぬ僕に、彼はこんな歌をプレゼントしてくれたんだ。
(※注 懐かしのエンディング曲です)
可愛い顔して エログロで
口が曲がって 鼻もげてー
カカト落としも良いけれどー
当て身 投げ抜け 鉄山靠ー
これが今年の正月の出来事だった……。(The
ダメ正月)
注)この物語は基本的にノンフィクションですが、フィクションも交えてお届けしておりますので実際は男二人で過ごした訳ではありません。断じてそういう仲ではありません。ホントに。 2004.1.3 |