〜サンタクロースは振り向かない〜
| クリスマスシーズン到来である。
「クリスマス」という言葉自体は「キリストの降霊祭」という意味らしいのだが、現代はもっぱら物欲渦巻くプレゼント商戦なり。
私がまだ子供だった頃、様々なオモチャを本気でサンタに願っていたものだが、年々エスカレートしていく「より大きく」「より高額に」という図々しさに、両親はさぞかし困惑していただろうと今更ながらに胸を痛めている。 しかしあれはおもちゃ屋メーカーが悪い。子供達を熱中させまくっているアニメとタイアップして番組開始早々に合体ロボだの変形ロボだのと、アニメを忠実に再現した魅惑のアイテムを次から次へと世の中に投入してくるのだから子供にとっては堪えろと言う方が無理である。 そんなある年、私は「コンバトラーVの合体超合金が欲しい。」というリクエストを出した。 頭の1号機、胸&腕の2号機、腹の3号機、股間&足の4号機、靴(笑)の5号機で構成された戦闘機や戦車が合体して巨大ロボになる。という非常識なまでに男心を揺さぶるアニメでしか実現しないと思っていたメカが、超合金となって家庭で合体劇を繰り広げる。というのだから、想像しただけで脳内麻薬放出しまくりである。(下手すりゃ失禁!!) とはいえ一機ですら破格の値段であったのは子供ながらに知っていた。一度にそれを五機分も望んだのは私の賭けであった。 「サンタとはいえ、このような高額商品を易々とくれるのか? クリスマス2週間前からイイ子にし始めた この私に。」
「分不相応なリクエストにムカついて冷静な判断に欠いてしまい、巨大ロボどころか ミクロマン人形一体 にしてくるかも知れない。」 などという懸念もあったが、大人の価値観で例えるならば
みたいな代物である。ハイリスク・ハイリターンの決死の覚悟だ。
我が家のサンタは長崎屋の5Fおもちゃ売り場で五機分の合計金額を暗算し、愕然としたに違いないだろう。 私が私の親だったらきっと「サンタの収入だって無制限じゃないんじゃ。サンタの都合も考えんかーい!」などと激しく叱り飛ばしているところだ。 25日早朝。心を躍らせながら破り開けた包装紙の中から出てきたのは1号機&2号機のみであった。 合体させても胸から上だけなので、私の視界に映るのは 履歴書写真のようなコンバトラーV。 込み上げる涙を堪えつつ、『サンタは勘違いしていたのか?』『何かの手違いか?』『何か伝言は無かったか?』などと両親に問いかけたところ、 「今年はサンタと会っていない。」
という回答しか返ってこなかったのを記憶している。 正直大変ショックを受け、サンタを恨みもしたが1号機と5号機の組み合わせでなくて良かったと心から思っている。
あれから時は経ち、私も三十路を越えた。 いずれは私もサンタとなる日も来るであろう。 こないにごっついオモチャ買うたかて、感謝されんのみーんなサンタやんか! などと小物くさく考えつつもプレゼントを買ったりするのであろう。 しかし私は思う。大人になったってサンタからプレゼントは欲しいのれす!(自分中心) さすがに私もこの歳になって親からプレゼントを望むほど愚かではない。 しかしながら本当にサンタクロースが存在して、大人にもプレゼントをくれたら全ての人がハッピーで、何の問題もナッシングではないのか。と考える次第なのである。(充分愚か) 嗚呼…、サンタのいる世界…。 そんな素晴らしき世界を私なりにシミュレートしてみる。 諸君もマトリックスよろしく、私の仮想現実を体験してくれたまえ。 モーフィアス、クリスマスバージョンのプログラムをくれ。
※ ガチャッ 「ただいま〜。って、ぅオイ誰だその男!!! ベットで何してんねん!!!」 「え?あれ?ど、どうしたのよ…?き、今日は出張だったんじゃないの?」 「こんなクリスマスイブにホンマに出張なんかする訳ないやろう!ガッカリさせておいて逆にチョット嬉しいハプニング?みたいなトキメキを提供したろ思うてるワシのサービス精神がわからんちゅーのか!」 「そ、そんな……。アナタの考える事って昔から理解できない事だらけなんだもの…。」 「オイオイ。なにカミングアウトしてんねん…。って、そこのオマエ。なに胸で十字切ってんねん。名を名乗り。」 「サ…サンタデース。メ、メリークリスマス……」 「恋人はサンタクロースですかー!!!!」
おーい。待て待て待て。このプログラムは入り口から設定がチョット間違っているぞ。そもそも北海道育ちの私が大阪弁を喋っている時点でコント丸出しではないか。 モーフィアス、次のプログラムだ。真面目に頼む。
※ 「メリークリスマス。」 「サ…サンタじゃないですか!一年間お待ちしていましたよ!」 「ふむ。今年はいい子にしていたかな?」 「もちろんですとも!去年までは難癖つけられては連続でプレゼントを逃していましたからね(ずっともらえなかったらしい)。『今年こそは』って気合い入れまくりーの、かたせ利ー乃ってなもんですわ。がはは。」 「……。」 「あれれ?ちょっとちょっとお。こんなん査定とは無関係でしょ?そんな恐い顔してー。脅かしっこナシで頼んますわ、マジで。」 「いや…。その査定の件だがね。」 「いーやいやいや。ホント、脅かしっこナシで頼んますって。」 「君…今年は何回このサイトを更新したかね?」 「え…えええ?!! まーたそんなパターンすか!!!」 「質問を変えようか?」 「え、ええ。是非とも…。」 「オーナーである君と君のサイトの常連さん、どっちがこのはなうどんを見に来ているかなぁ〜?」 「くっ……質問ちゅーかチョットしたクイズではないですか…。」 「黙らっしゃい。『明日から更新頑張りまーす』などと、毎度毎度その場しのぎの言い訳で常連客を誘き寄せ、保守させるような悪い子と、」 「…はい。」 「毎回裏切られるのを承知でダメオーナーを健気に支え続ける子と、どちらがいい子と言えるかね?」 「質問の最初でもう『悪い子』特定してますけど…」 「君に予定していた今年の予算はその子達に回す事にした。異論はあるまい。」 「あの…」 「何かね?」 「もし…。もし、更新していい子にしてたら…何がもらえたんですか?」 「うむ。所詮はタラレバの話になるがな……。えーっと、今年は……」 「……今年は?」 「あ。今年は『DX・矢口 真理』じゃったわ!おっしいのう。うおっほっほっほ。」 「えええええっ!!? ほ、欲しい!!! な、何とかして下さい!!!」(土下座) 「あかん。」 「いやいやマジで!!!お願いします!!!サンタさん!!!これから改心しますか…」 「あかんと言ったらあきません!」 「……。」 「ほう。そんなに目に涙を溜めて。泣くのかね? 君は33歳にもなって『DX・矢口 真理』で泣くのかね?」(嘲笑!!!)
おお、神よ。私は世界中のキッズ達を敵に回してもいいです。でもこのシタリ顔のサンタだけは私の手で殺させて下さい! なにゆえ仮想現実で聖なる説教を受け、クリスマスイブだというのに東京ドーム23個分もヘコまなくてはならないのか。 おいハゲ(モーフィアス)。他のプログラムはないのか?威勢のいいバージョンとかは無いのか?
※ 「メリークリスマース!」(テンション高) 「メ、メリークリスマース!いい子!いい子にしてました、今年!」 「悪ぃー子は いねーがぁーー?」
サンタじゃないし。なんだコレ。 2003.12.23 |